尊厳死法の成立は全国の障害者に大きな不安を与えています。障害者の中には呼吸器
や経管栄養を長年にわたって利用しながら、学校に通い、社会参加をし、仕事を続
け、幸せな結婚生活を送っている人も大勢います。この法律では、その人たちの人生
途上での治療停止の恐れが懸念されております。医療は本来、命を支えるためのもの
だったはずです。尊厳死法では、医者の自殺ほう助を容認するような条項までありま
す。
重度の障害者たちは地域サービスの未整備もあって、家族の介助に依存しなければ生
きていけない人たちもいます。その人たちは、家族への遠慮から延命治療を選択しに
くい状況にあります。この法律ができることは、そのような人たちにとって、治療を
停止し、死を選ばざるをえない状況に追い込むことにならないでしょうか?現実にそ
のような悲しい選択をした障害者たちを私たちはたくさん見ています。
国連の障害者権利条約が成立し、その中では地域での支援を受けての障害者の自立生
活がうたわれています。改正障害者基本法でも、あらゆる障害者が地域で共生してい
くことをその第一条でうたっており、地域での介助を受けての生活は、日本において
も法的に保障されているところです。地域によってはこのサービスが十分でないた
め、家族への過剰な負担がいまだに続いています。われわれは尊厳死法制定に反対
し、さらなる地域生活支援サービスの充実を求めるものです。
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